コネコ・シンドローム

だれでもいいから だれかいてよ


(作・花田十輝 絵・野々山哲次「コネコ・シンドローム」より)


ドアを開けると、そこは誰もいない教室。声をあげたなら、永遠に声が反響し続けそうだ。
この有限の空間は無限の時の流れさえも感じさせる、人の心に棲む「夢ノ一片」の仕業。
震える胸、うつむく顔、うつろな目。無気力に垂れた腕、力の入らない膝。
すべてを欲しているわけでもないのに、無理な願いでもないのに、何も手に入らない。
「精神」の延長線上には草木の一本も生えておらず、悟りと言う名の「虚無」が佇んでいる。
「明日やろう」この一言がすべてをダメにする。今日を限界まで頑張った者に明日がある。
「今日できることは今日しよう」ということではない。そこに気付いて欲しい。