晩年の子供を読んで

山田詠美さんの「晩年の子供」を読み終えました。
約一週間、なんとか本を読む時間を作ったのですが…、
この薄い文庫本一冊を読破するのにこんなにもかかるとは。


感想はー、これは男の視点からだと読めないなあ。
運命だとか、いろんなことを悟りきったような素振りを見せる、
いや〜な少女たちの変わっていく様を描いた短編集。
素振りではなく、天然ってところが電波少女としか思えない。
何でも「運命」で片付けて物事に抗いもしない少女、
「性」に対して吐き気を催すような清潔を抱いている少女、
子供の心理を熟知し、その中でも自分を上位に位置づける術を知り、
結果、周りにもてはやされ、その自己陶酔に陥っている少女などなど。
物語の終盤には皆変わっていくんだけど、それでも違うんだよなあ。
思春期の女の子ってこんなものなのでしょうか?
この精神は、理解できません。女性から見たらどうなんだろう。
ただ、最後の「ひよこの眼」は傑作。高校教科書に載るだけはある。
この話だけは現代文学の代表作、と言ってもいいくらいのパズル。
というのは言いすぎかな?読みやすく理解しやすい小説です。


さて、次は何を読もうかしら。