これはもしや…

なんだろう、自分でも本当にビックリした。
元クラスメイトの女の子で、塾が一緒で、
わりと話してたし、今でも学校ですれ違えば向こうから話しかけてくる。
塾でも結構、会っては話してた。そんな、普通の友達だった。


ところが今日、今日はいつもとは違った。
僕が塾から帰ろうとして階段を降りてるとき、彼女が下から昇ってきていた。
別に彼女を意識してはいない。いつも通り、ちょっと立ち話して終わるだろう。
そう思い、何の警戒もせずに僕は階段を降り続け、彼女は昇ってきていた。
そして、ちょうど踊り場ですれ違いそうになったときだった。


胸が「どきっ」って。


その音、というより鼓動は僕の全身を走った。今までこんな感覚に陥ったことはない。
息苦しい。空調によって乾燥した空気が僕を締め付ける。
そんなことは全く知らないであろう、彼女がいつも通り話しかけてきた。
「や、元気〜?」
無邪気で可愛らしい声。天然か否か、さては策士か。難しい性格をしている。
「あ、ああ。そっちこそ元気?」
僕の声に元気があるようには思えなかった。気の利いた返答はできない。
普段だったら「お、○○ちゃん。今日も可愛いねぇ」くらいは言うのに。
その後、何を話していたのかは全く覚えていない。
なんせ彼女と話している間、胸が高鳴りっぱなしだったのだから。


家に帰り着いて、自分の胸に手を当ててみる。あの時の鼓動は一体…。
(もしや、これが恋…?
目を閉じて、今日あったことを振り返ってみる。あの、踊り場での出来事を。


……。


そんなわけないっか♪さあ、リリック書くぞー。