自転車に乗って/SUIKA

空がとても青く、雲も白かったので、
今日は自転車で遠くに行くことにしました。
知らない町へ行ってみたくて、
知らない道を探しては通って見たのですが、
結局は知ってる町へと出てしまうものなのですね。
知ってる町とはいえ、この街に来たのは5年ぶり。
中学生のころを少し思い出しました。


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ああ、空が広い。視界いっぱいの青空です。
道の両脇は畑や水田、高い建物は一切無い。
僕は熊本の中心街の方に住んでいるので、
こんなに広い空を見ることはめったにありません。


なんだか嬉しくなって、涙が出てきました。


http://tmchinagiku.hp.infoseek.co.jp/photo/060914_02.jpg


この道の先には何があるのだろう。
僕は知ってます、この先に何があるか。
知らない町へという目的は果たせないけど、
それと同じくらい素敵な場所があるのです。


一昨日のこと、夕方に古本屋に行きました。
するとどうだろう、半袖のTシャツじゃちょっと寒い。
ずっと続いて欲しかったな…。夏の終わりを、感じました。


夏が終わり、本格的に秋色に染まる前に、
夏にさよならを告げたいというわけではありませんが、
この晴れた日、最後に、夏を感じたかったのです。


この道の先に、僕が求めているものがあります。


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そう、海です。熊本港までやってきました。
海の青さは空の青色、写真はちょっと画質が悪いです。
コンクリートを這うカニさん、がらんとしたフェリーの待合室、
そして中途半端に冷え切ってないペットボトルコーラ。


思えばここにくるのは大学受験時代の夏以来だなあ。
あの頃の僕が一番不安定な時期だったと思う。
思い出してみると随分と細かいことを気にしてたもんだ。
今が割り切りすぎ、ってのもあるんだろうけど、
高校生のときの自分は本当にガラス細工みたいだった。
光を屈折させたりさ、脆く欠けやすいという点で。
あの苦悩は今となってはまるでわかりやしない。


去年の夏、学校に行かないでここで船を見てたんだっけ。
先生に怒られて、学校やら受験やら全部イヤになっちゃって。
あの時も空は青くて、雲は真っ白だったなあ。
大学生になってから、来年もまた来よう、なんて思って、
それからお母さんにごめん、って電話をしたんだ。


あの頃思ってた大学生とは違う大学生になっちゃったけど、
まあこんなものでしょう、これはこれでいいんじゃないかな。
毎日が充実してますよ。詰まりすぎという気もしますが(苦笑)。


これでもう、夏に悔いはありません。
ではまた来年、お会いしましょう。