狭い世界だけど窮屈じゃない

朝から腹を壊しいつもの時間よりも遅く家を出発した。
昨晩に食したのはカップ焼きそばと柿の種だけだったし、
思い当たる節と言えば朝食の生卵しかないが、
まだ賞味期限まで10日もあるし、これはどうなんだろう。


こうして慌てて通勤する中、知った顔を見かけたので急ブレーキ。
振り返ると天王寺サイファーでいつも一緒の逢歌くんがいた。
最寄り駅が同じとは聞いていたけども、こうして会うのは初めてだ。
彼は学校へ、僕は会社へ向かう慌ただしい朝なので挨拶は短めに。
縁と言うものはそこらへんに転がってるものだ。




僕の職場には、他所の職場で定年退職した後に
アルバイトとして働いているおじさんがいる。
その人は70代を目前にするも現役のソフトテニスプレイヤーで、
全国大会のシニア部門で優勝をかっさらってくるほどの腕前だ。
彼が大会を控えている一ヶ月前、そして一週間前にはいつも、
僕と一緒に王将でニラレバ炒めを食べることになっている。
なんでも彼にとってこのニラレバ炒めは試合前の験担ぎだそうな。
そういうわけで本日もそのニラレバ炒めをごちそうになってきた。



その場で何故僕がいつも一緒なのかというと、
驚いたことに彼は僕と同じ熊本の大学の卒業生なのだ。
まさか、大阪という遠く離れた土地の会社で、
地元である熊本の大学の大先輩に出会うなんて、そうそうない。
そうとわかってからは彼は僕に良くしてくれる。
僕だってなんとなく嬉しいから彼のことが大好きだ。



こんな偶然が当たり前にある世界、
でもそういう偶然を大切にして行きたい。
街を適当にふらつけば誰かに会えるその喜びを、
当たり前のものにしつつ、いつだって忘れないようにしたい。



さあ、いよいよ明日を乗り越えれば金土日とフィーバーだ。
「一緒に整体行かない?」とデートに誘うも断られたけど、
ふと目が合った先輩に「肉食べたいっす」と声をかけたら、
明日飲みに連れて行ってもらえることになったから頑張る。