いつもと同じクリスマスイブを過ごすつもりだったけど、
病気で身体が弱ってるからお酒を飲めない…。
むしろ街を歩き回る気力があるかどうか。


毎年ひとりだよ。


ひとりでTSUTAYA三年坂店をうろちょろしてるんだ。
昨年は白いスーツを着た、良い意味でケモノのような男が、
エロナースのコスプレをしている巨乳のおねーさんに、
汗を拭いてもらっているジャケットのCDを見かけたもんだ。
(ヒントはゴーストフェイスで検索すればいいんじゃないかな)
ああ、もちろんその男を擁する荒くれ者クルーも新譜アルバムを、
出してて国内盤を買うかDVD付き輸入盤を買うかで悩んだもんだ。


そんな夜を過ごすんだよ。


でもさ、今夜は少しだけ違ったんだ、良い意味で。
大好きなあの娘からさ、ちょうど0時を過ぎたころに、
「メリークリスマス」って電子メールが着たんだ。


初めて携帯を持ってて良かった、と思ったね。


こんなに嬉しい夜はそうはないよ。
この夜、僕に届いたメールはこの一通だけだったけども、
それで十分なんだ。僕も書きかけの手紙をくしゃくしゃにして、
ゴミ箱に放り投げて、また一から書き直したよ。
「メリークリスマス」って書き出しでね。