一枚のCD-R

旅に出ます。一から、ラップの勉強をし直します。
俺、今まで何やってたんだろう。よそ見ばっかして、ロクなもんは身に付けてない。
隣のクラスにすげぇヤツがいるもの知らずに、独り善がり・自己満足。
全てが自己完結で過ぎていく日々、そんな生き方してる人間は誰にも認められはしない。
夢なんてものは覚める、冷めるから「夢」と置き換えている現実がここにはある。
精神不安定とか受験とかを理由にして、何も出来ないような素振りさえも空回り。
裸のままで走ってたつもりが、ドロにまみれていたつま先を見て呆然と立ち尽くす。
こんなにも自分の体を蝕む感覚を不快に感じた事はなかった。涙など出ないほどに渇く肉体。
すでに明日を迎える事さえも恐怖と化した。一日一日が一秒も削れない勝負なんだ。
俺だって絶望より希望を抱きたい。そして網膜以外の部分でも、光を感じていたい。
しかし、歯車の歯止めとなるわずかなプラスチックの破片。崩壊に繋がりかねない一片の鎖。
何かを求めてたんだ、昔は。その何かを忘れてしまった僕は歌を忘れたカナリアと一緒。
自分が生きてること自体、間違いだと思い始めている。何の役にも立たない、デクノ棒。
この世に必要の無い人間なんて、いないはずなのに。と、必死に自分に言い聞かせる。
所詮はキレイゴトなのかもしれない。反面教師にさえなれそうに無い僕が、今宵も枕を濡らす。